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健康経営の目的とは?取り組み事例・メリットや導入効果を徹底解説【図解あり】

資料DL「企業内担当者向け 『健康経営』の実践において 知っておくべき8つの ポイント」


健康経営とは、従業員の健康を本人任せではなく「経営的な視点」として捉え、戦略的に実施する取り組みを指します。

健康経営の導入には様々なメリットがあり、近年特にクローズアップされるようになりました。しかし、実際に導入を検討する場合に、具体的にはどんなことをすればいいのかわからない企業担当者も多いかもしれません。

そこで本記事では、健康経営とは何か、目的や重要視されるようになった背景から、導入メリットや具体的な導入事例まで、健康経営に関する総合的な知識を整理してご紹介していきます。

目次[非表示]

  1. 1.健康経営とは?推進の背景や概要をチェック
  2. 2.健康経営のメリット・導入効果
  3. 3.国が推進する健康経営制度の取り組み
  4. 4.自治体・企業単位で取り組まれる健康経営戦略とは?
  5. 5.健康経営のデメリットと課題
  6. 6.健康経営の導入方法:具体的な流れをチェック
  7. 7.健康経営は企業成長への投資になる


健康経営とは?推進の背景や概要をチェック

従業員の健康に経営視点で向き合うことが求められる「健康経営」について、まずは言葉の定義や目的を理解しておきましょう。

また、なぜ健康経営が叫ばれるようになったのか、背景にある国の情勢や時代変化についても触れていきます。


健康経営の目的とは何か

経済産業省は「健康経営」の定義について、以下のように定めています。

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。

健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つです。

引用:経済産業省「健康経営」


従業員の健康管理や働きやすい職場環境作りを「経営面」から介入することで、結果的に組織の活性化や業績向上につなげることを目的としています。

アメリカの臨床心理学者であるロバート・ローゼン博士が提唱した「ヘルシーカンパニー」と似通った部分がありますが、日本の「健康経営」は、日本で発祥した独自の概念です。

  • ヘルシーカンパニー:会社組織で働く従業員個々人が自身の健康を管理することで企業の生産性を高める
  • 健康経営:会社のマネジメントの中で従業員の健康づくりを経営戦略とし、組織マネジメントと従業員個々のセルフマネジメントを組み合わせて考えていく

つまり、健康管理を個人の責任として丸投げするのではなく、企業全体が戦略的に従業員の健康と向き合い、実践していく取り組みが「健康経営」の要となります。

NPO法人健康経営研究会は公式ホームページにて、下記のように提言しています。

今後は、「人という資源を資本化し、企業が成長することで、社会の発展に寄与すること」が、これからの企業経営にとってますます重要になっていくものと考えられます。

引用:NPO法人 健康経営研究会ホームページ

こうした「健康経営」に関する考え方が重要視されるようになった背景には、日本社会が抱える課題解決への期待があります。


健康経営が重要視される背景

「健康経営」が注目されるようになった背景には、大きく以下の要因があるといわれています。

  • 少子化に伴う労働人口不足
  • 社会保障費の財政圧迫

少子化問題の進行によって労働人口が減少し、労働者1人当たりにかかる負担も増加。結果的に長時間労働やサービス残業など、労働環境の悪化を招きました。

労働環境の悪化は、うつ病などのメンタルヘルス不調を引き起こし、ただでさえ高齢化によって財政を圧迫する社会保障費の増大に拍車をかける結果となったのです。

こうした悪循環は経済活動の停滞を招く恐れがあり、「健康経営」がフォーカスされるようになりました。「健康経営」の推進は企業単位の業績向上だけでなく、国にとって将来性・重要度の高い取り組みだといえるでしょう。


健康経営のメリット・導入効果

「健康経営」を実際に導入した場合、従業員が生き生きとやりがいを持って仕事に取り組めるだけでなく、企業側にとっても様々なメリットがあります。


画像引用:経済産業省「健康経営の推進について」


具体的にどのようなメリットや導入効果が得られるのか、3つの視点から解説します。


メリット1.生産性の向上・離職率の低下

経営視点から従業員の健康管理に取り組むことで、職場におけるストレスを軽減し、心身ともに健康的な状態での労働が実現できます。

働きやすくストレスの少ない環境下では業務パフォーマンスの改善が期待でき、結果として生産性の向上を図れます。

同時に、メンタルヘルス不調などを起因とする休職率や離職率の低下も期待できる、という調査結果も出ています。


画像引用:経済産業省「健康経営の推進について」


メリット2.企業価値・業績・ブランドイメージの向上

健康経営を取り入れている事実を外部へ発信することで、従業員の働きやすさや健康を重視した企業であると認知してもらいやすくなります。

健康経営への取り組み実績は、就活生が企業を選択する際の重要なチェックポイントのひとつです。

下記のグラフでは、「将来、どのような企業に就職したいか」という質問に対して、1位と僅差で2番目に多かった就活生の回答が「従業員の健康や働き方に配慮している」となっています。


画像引用:経済産業省「健康経営の推進について」


健康経営への取り組み実績は企業価値そのものを高め、いい人材が集まり、企業業績向上へとつながることが期待されます。


メリット3.医療費の削減

健康経営の実施によって従業員の健康意識が高まれば、それだけ医療専門機関への受診率・通院率の低下が期待できます。通院頻度の減少は、企業側の医療費負担の軽減に直結します。

企業単位で医療コストの軽減が実現できると、国民全体のQOL(生活の質)の向上につながり、結果的に国全体の医療費の抑制につながることが期待されます。


画像引用:経済産業省「健康経営の推進について」


国が推進する健康経営制度の取り組み

国は「健康経営」にまつわる顕彰制度として、「健康経営銘柄」「健康経営優良法人認定制度」を設けています。

各種顕彰制度を通じて、「健康経営」に積極的に取り組む優良法人を「見える化」し、社会的な評価を受けられる社会環境を整備することが目的です。


画像引用:経済産業省「健康経営の推進について」


それぞれの取り組み内容や詳細を見ていきましょう。


健康経営銘柄

「健康経営銘柄」とは2014年度にスタートした健康経営にまつわる認定制度であり、経済産業省と東京証券取引所が共同で運営を実施しています。

「健康経営銘柄」の目的は、社会全体における「国民の健康寿命の延伸」です。東証一部上場企業の中から1業種1社を原則として選定され、2021年度は29業種48社、2022年度は32業種50社が認定されました。


健康経営優良法人認定制度(ホワイト500、ブライト500)

「健康経営優良法人認定制度」とは、上場企業以外の法人・企業を対象とし、優良な健康経営への取り組みを顕彰する制度です。

制度は企業規模(従業員数など)に応じ、「大規模法人部門」「中小規模法人部門」の2つに区分されます。さらに、それぞれの部門における上位500法人を評価する認定枠も下記のように設置されています。

  • 大規模法人部門のうち上位500法人:「ホワイト500」
  • 中小規模法人部門のうち上位500法人:「ブライト500」

「ブライト500」は健康経営優良法人2021から新たに創設された新制度であり、中小企業にも「健康経営」をより一層推進していく社会的な意図が読み取れます。


自治体・企業単位で取り組まれる健康経営戦略とは?

「健康経営」を推進する動きは、国に留まらず各自治体や企業単位にも広がっています。

特徴的な健康経営戦略を取るいくつかの事例について、ピックアップしてチェックしていきましょう。


新潟市「健康経営認定制度」

新潟県新潟市では、健康経営に取り組む事業所を「新潟市健康経営認定事業所」として認定し、表彰を行うなどの支援を実施しています。

「経営者(事業所代表者)の理解と関与」、「健康経営の推進」、「取組の評価」の観点から評価され、3つの区分に応じて認定を実施。

認定された企業は、新潟市より認定ロゴマークが授与されるほか、広報や情報発信の支援、健康づくりに関する健康講座への講師派遣などが利用できるなど、さまざまな恩恵を受けられます。

参考:新潟市健康経営認定制度について


マルハニチロ株式会社

「健康経営銘柄2022」に初選定されたマルハニチロ株式会社では、

  • パルスサーベイ(従業員の満足度およびモチベーションを高頻度で測定するための意識調査)
  • 1on1ミーティングの全社導入

など、個別の健康状態をきめ細かく把握する体制構築を実施しています。

また、自社製品を活用し、水産由来の栄養成分DHAを積極的に摂取する「DHAチャレンジ」を実施するなど、企業の特性を生かした健康意識向上・食習慣改善の取り組みにつなげています。

参考:マルハニチロ株式会社「健康経営の推進」


日本水産株式会社(ニッスイ)

ニッスイは2019年に「健康経営銘柄2019」に選定されて以来、4年連続で健康経営銘柄に選定されています。

  • 新企画「カラダ改善コンテスト」を通じた従業員の健康づくりの推進
  • 継続的な禁煙対策による喫煙率の低下

など、従業員の健康づくりにつながる様々な取り組みを実施し、結果に結び付けています。

さらに、育児や介護などのさまざまな事由を抱える従業員が働きやすい環境の整備に向け、休暇取得推進、労働時間管理の適正化に向けた取組みや時間単位休暇・コアレスフレックスなどの柔軟な働き方の制度を拡充したことも高く評価されました。

参考:日本水産株式会社「『健康経営銘柄2022』に選定」


健康経営のデメリットと課題

多くのメリットや導入効果が期待される「健康経営」ですが、デメリットや課題点も残っています。デメリットまでしっかり把握し、導入時に反映させてください。


デメリット1.結果がすぐに現れない


画像引用:経済産業省「健康経営の推進について」


「健康経営」のデメリットとして指摘されるのが、結果がすぐに現れない点です。健康経営は長期的に取り組むことで効果が得られるものであり、一朝一夕では変化を体感しにくいといわれています。

よって、導入当初は投資効果が見えにくく、企業の経営戦略としての位置づけに疑問の声があがる可能性もあります。長期的な視野をあらかじめ共有したうえで、導入計画を立てていくことが重要です。


デメリット2.従業員が負担だと感じる可能性がある

従業員の健康づくりを目的とする取り組みであっても、新たな施策の導入には従業員が負担だと感じるリスクが伴います。中には、取り組みに伴う課題が新たなストレス要因となるケースも出てくるでしょう。

よって、無理やり押し付けるのではなく、「健康経営」のメリットや目的、新たな取り組みによって従業員が受けるメリットなどをしっかり周知し、理解を得ることが重要です。


健康経営の導入方法:具体的な流れをチェック

最後に、実際に健康経営を自社導入する場合の方法や流れについて、具体的に解説していきます。

導入には一定のコストや労力がかかりますが、企業成長や業績向上につながる大切な施策であることは、上層部を含めた運営チーム全体で認識しておくようにしましょう。


STEP1:健康経営に取り組むプロジェクトチームを発足

健康経営の実施には、企業の経営幹部だけでなく、産業医や保健師、人事労務部門担当者、衛生委員会など、多くのメンバーが協力し合いながら計画を推進していきます。

よって、まずは中心となって健康経営に取り組むチーム体制を構築しましょう。社内から担当者を任命し、企業全体で横断的にやり取りできるプロジェクトチームを発足するケースも多いです。

チーム発足後は定期的に定例会等を実施し、必要に応じて産業医や健康診断実施期間などの外部機関と連携を取れる体制を整えておきましょう。

<例:マルハニチロ株式会社のマネジメント体制>

画像引用:マルハニチロ株式会社「健康経営の推進」


STEP2:現状での課題点や具体目標を確認・計画を立案

効果的な健康経営の実施には、導入時点で従業員が抱える健康上の課題やリスクを把握することが重要です。

定期実施している健康診断結果やストレスチェック結果など、社内データを活用して課題点を洗い出しましょう。

そのうえで、企業単位で経営視点から取り組むべき具体目標を立案し、具体的な施策を検討していきます。


STEP3:社内外へ告知・「健康宣言」を実施

課題を確認し、目標に沿った導入計画を立案したら、健康経営の実施を社内外へ告知しましょう。このような社内外への発信を「健康宣言」と言います。

企業ホームページや社内広報などを活用した情報発信の実施や、プレスリリースを活用した社外への告知など、方法はさまざまです。企業トップが健康宣言を実施することで、従業員にも本気度や導入メリットなどを伝えられ、活力の向上に結び付けやすくなります。


STEP4:計画を実行・取り組み内容を評価

計画に沿った取り組みの実行はもちろん、定期的に実施内容や効果、従業員の声などを評価し、振り返ることも重要です。

  • 従業員の参加率や反応はどうか
  • ストレスチェック結果など、具体的な数値目標とのギャップはあるか

など、従業員の意見を踏まえた振り返りを実施することで、働きやすい環境整備につなげやすくなります。


健康経営は企業成長への投資になる

「健康経営」は、多くのメリットや将来性を持つ重要な取り組みであることをお伝えしてきました。

ぼんやりとした概念の理解だけではなく、「自社にどう活かすか」という具体的な視点を持って考え始めることが重要です。

最初の一歩にはコストや労力がかかりますが、企業の将来につながる投資として、「健康経営」についてきちんと検討する機会を持つといいでしょう。

いきなり大きな効果を目指さなくてもいいので、まずはできることから始めることが大切です。


資料DL「企業内担当者向け 『健康経営』の実践において 知っておくべき8つの ポイント」


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