
健康経営度調査とは? フィードバックシート活用方法や2022申請手順を解説
資料DL「企業内担当者向け 『健康経営』の実践において 知っておくべき8つの ポイント」
2014年より例年、経済産業省で実施されている「健康経営度調査」。自社の健康経営を見直し、他社の取り組み状況をチェックできるため、多くの企業から注目されています。
自社が健康経営優良法人の認定を受けられるのかリサーチしてみるものの、そもそも「健康経営度調査とは何か? 」とわからない企業も多いはず。
当記事では、大規模法人が必要とされる健康経営度調査の概要はもちろん、認定・申請手順からフィードバックシート活用法まで徹底解説します。
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健康経営度調査とは
健康経営度調査とは、企業の健康経営の取り組み状況把握のほか、健康経営銘柄選定や健康経営優良法人認定のための基礎情報を得る目的で行われる調査です。
健康経営度調査の目的は、簡単にまとめると、以下の3点になります。
- 企業が従業員の健康状態に意識を向け、改善を図り、職場の魅力向上・企業の価値向上に努めているかを把握
- 従業員の健康管理に関して、企業側が経営的な視点で考え、企業がどのように取り組めているかといった状況を把握・変化の分析
- 健康経営銘柄の選定や健康経営優良法人に該当するかを把握するための情報収集
健康経営度調査を受けることで、自社にとって健康経営をする上で何が求められているか、足りないのかといった点を確認できるメリットがあります。
さらに、健康経営度調査に回答することで、フィードバックシートが企業に返送され、自社の健康経営に対して第三者目線でのフィードバックも受けられます。
健康経営優良法人と認定されることで、取引先企業等から信頼獲得につながり、将来的な成長が見込める企業としてのイメージアップとなるため、最近は認定を目指す企業が増えてきています。
健康経営度調査の対象
そもそも、自社が健康経営度調査の対象になるのかどうかわからない企業の方も多いのではないでしょうか。
健康経営度調査は、大規模法人部門に該当する企業であり、健康経営銘柄・健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定基礎調査として実施されています。
「健康経営優良法人」に関しては、別記事で解説しているため、参考にしてみてください。
健康経営度調査の内容は毎年変わる
健康経営度調査の内容は毎年変わります。
参考までに「令和3年度健康経営度調査」について見てみると、前年度と比べおおまかに以下の点が変更されています。
- 健康経営度調査提出までのフローの電子化
- 調査票の質問数減少(198問→176問へ)
- 健康経営での起業方針・課題の特定
- 取引先の考慮
- フィードバックシート送付や申請受付期間等のスケジュール変更
- フィードバックシートの公開承諾がホワイト500認定の必須条件に
- 調査回答と認定が同時申請可能に
- 戦略マップの作成・公開が求められることに
- 健康診断データを保険者へ提供することに
- 従業員の健康維持・増進に関する取り組みの増加(特定健診・特定保健指導実施率の把握、ヘルスリテラシーの従業員への教育)
- ホワイト500の認定要件に喫煙率を下げる取り組みが追加に
- 新型コロナウイルス感染症の対応
2021年度健康経営度調査票の変更点・新規で追加になった点に関して、詳細は経済産業省がサンプルとして発表した「従業員の健康に関する取り組みについての調査」をご覧ください。
軸となる5つのフレームワークに基づいた評価方法
2021年8月に経済産業省より発表された、健康経営度調査概要における評価モデルから分かるように、健康経営度調査は5つのフレームワークに基づき、評価されています。
引用文献:経済産業省|令和3年度 健康経営度調査 今年度の概要と主な変更点
- 健康経営理念・方針
- 組織体制
- 制度・施策実行
- 評価・改善
- 法令遵守・リスクマネジメント
これらの項目を加味し、従業員の健康に対するアプローチがなされているかを評価します。
ただし、5つの項目がすべて同じ割合で評価されるわけではなく、そのときの社会的状況を踏まえて評価されます。
健康経営度調査の流れ
では、健康経営度調査はどのような流れで実施されているのか、具体的なスケジュール感を見ていきましょう。
引用文献:経済産業省|令和3年度 健康経営度調査 今年度の概要と主な変更点
上記のように、例年9〜10月に申請・提出・実施期間が設けられ、12月にフィードバックシートが送付されます。その後、2月頃に内定、3月に健康経営銘柄・健康経営優良法人の発表というスケジュールになっています。
企業側は事前にスケジュールを確認しておくことで、万全な状態で健康経営度調査に参加できるでしょう。
健康経営度調査の申請手順
健康経営度調査の申請手順は、東証一部上場企業とその他の企業で手順が異なります。また、過去に健康経営度調査に回答したことがあるかどうかによっても、手順が異なるため、十分注意が必要です。
それぞれのケースごとに、詳細な申請手順をご紹介します。
東証一部上場企業の場合
- 健康経営度調査の受付開始時、郵便または電子メールで案内が届く
- 専用サイトで健康経営度調査をダウンロードし、必要事項を入力した電子データを専用サイトにアップロードして提出する
過去に回答歴のある非上場企業・法人の場合
- 過去の登録メールアドレス宛に、受付開始時に電子メールで案内が届く
- 専用サイトで健康経営度調査をダウンロードし、必要事項を入力した電子データを専用サイトにアップロードし、提出する
新規で申請を検討中の企業・法人の場合
- 経済産業省のWebサイトに公開される新規申請用ID発行サイトからアクセスし、法人名や企業情報を登録する(参考:健康経営優良法人2021認定新規申請用IDサイト)
- 登録メールアドレス宛に、専用サイトからのURL、ID、パスワードを記載した電子メールが自動で送られてくる
- 専用サイトで健康経営度調査をダウンロードし、必要事項を入力した電子データを専用サイトにアップロードし、提出する
それぞれの場合で申請手順が異なるため、自社がどのパターンに該当するか確認しておきましょう。
健康経営度調査2023の申請開始はいつ? スケジュールをチェック
2023年度の申請時期はまだ発表されていません。
しかし健康経営度調査は、例年8月下旬頃を目途に開始されることがほとんどになっているため、2023年度の申請開始も同じ頃と考えておいて良いでしょう。
すでに、2022年度の申請は終了しましたが、過去最新のスケジュールは以下の通りです。
ちなみに、2021年度より健康経営度調査の提出と同時に、健康経営度優良法人の申請が可能になったため、申請を検討する企業は理解しておきましょう。
令和3年度健康経営度調査 フィードバックシートの変更点
基本、健康経営度調査は、12月頃にフィードバックシートが送付されます。フィードバックシートには、以下の内容が記載されています。
- 健康経営度評価結果
- 評価の内訳
- 評価の変遷(直近5段階の評価結果)
- 評価の詳細分析
- 健康経営の戦略
- 具体的な健康課題への対応
- 健康経営優良法人認定基準適合書
経済産業省よりフィードバックシートのサンプルが提示されているため、事前に確認し、イメージを深めてみてください。
変更点において、知っておくべき3項目について解説します。
1.ホワイト500認定の必須条件に「フィードバックシートの公開承諾」が追加
2021年より、ホワイト500認定の必須条件に「フィードバックシートの公開承諾」が追加されました。
そもそも、健康経営度調査では、優良な健康経営を実践している大企業や中小企業の法人を「ホワイト500」として認定しています。
経済産業省は、他企業も優良法人に続き、健康経営に対する意識づけ・行動レベルを上げていけるよう、ホワイト500に認定された企業に対して、フィードバックシートの情報開示を促しています。
2.総合得点のみの記載から総合評価(偏差値)の掲載へ
総合得点のみの記載から総合評価(偏差値)掲載へと変更されました。
側面ごとの偏差値と総合評価の偏差値が掲載されることで、より正確に総合評価を把握でき、企業にとって自社の健康経営を振り返りやすくなりました。
経済産業省|令和3年度 健康経営度調査フィードバックシート(サンプル)
3.直近5回の評価結果変遷が掲載へ
3つ目の変更点として、直近5回の評価結果の変遷が掲載されるようになりました。
直近5回の評価結果を掲載することで、自社の評価結果遷移を把握しやすく、改善すべき点が理解しやすくなります。
経済産業省|令和3年度 健康経営度調査フィードバックシート(サンプル)
健康経営度調査のフィードバックシートの効果的な活用方法
フィードバックシートは、企業の健康経営に対する取り組み成果を可視化し、客観的に評価できる機会ともいえます。
調査結果から必要情報を社内に周知し、社員のモチベーションアップやさらなる生産性の向上につなげるとよいでしょう。
1.他者の取り組み内容や評価結果から情報収集する
健康経営度調査に参加し、送付されたフィードバックシートは、ホワイト500に選出された企業をはじめ、他者の取り組み評価などの情報を得られる絶好のチャンスです。
調査票の設問から、今、社会が企業にどのような健康経営の実践レベルを求めているかを理解でき、自社の健康経営に生かすことを視野に、見本となる取り組み内容について情報収集しやすくなります。
2.自社で活かせる情報を経営戦略に反映する
フィードバックシートから情報収集した情報や自社のフィードバックシート結果を分析することで、健康経営の実現に向けた経営戦略の検討に役立てられます。
自社の健康経営に生かすことで、業務パフォーマンスの向上やよりよい経営につながるでしょう。
3.不適合となった部分を確認し、改善策を検討する
フィードバックシートでは適合となった部分だけではなく、不適合となった部分をしっかり確認し、振り返り評価を実施します。
結果、自社の健康経営における実践レベルの改善策が見つかり、企業・労働者両者にとってよりよい環境・結果が得られるでしょう。
健康経営度調査の結果を企業成長へつなげよう
健康経営度調査は申請・認定することで、自社の健康経営を振り返る良いチャンスです。
フィードバックシートにより、自社の健康経営の現状を理解し、他社と比較または他社のより優れた点を情報収集できます。
さらに、健康経営度調査は企業の健康経営の実践レベルを高め、企業成長につなげられるなどさまざまなメリットもあるため、可能な範囲で参加してみてください。
資料DL「企業内担当者向け 『健康経営』の実践において 知っておくべき8つの ポイント」