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安全配慮義務とは?違反となるケースや義務を果たす具体策を解説!

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企業として従業員の心身の安全や健康を守るために必要な「安全配慮義務」。怠ってしまうと違反になる場合も。

違反にならないためには、安全配慮義務について詳しく知る必要があります。

この記事では、具体的な対策を含めどのような場合に違反になるのか、解説します。


目次[非表示]

  1. 1.安全配慮義務とは?
  2. 2.安全配慮義務に違反するとどうなる?
  3. 3.安全配慮義務違反になるケースとは?
  4. 4.安全配慮義務を果たすための具体策
  5. 5.安全配慮義務を果たさなければならない対象者
  6. 6.安全配慮義務を果たし従業員の安全と健康を守ろう!


安全配慮義務とは?

安全配慮義務とは、労働契約法第5条により定められた、企業が従業員に対して安全や健康を配慮する義務のことです。この義務には近年問題となっている、メンタルヘルス対策も含まれます。

具体的な対策としては法律で定められていないため、会社側でそれぞれ考えなければいけません。労働契約法から「健康配慮義務」、労働安全衛生法からは「職場環境配慮義務」が含まれています。このことから、会社は従業員の心身の健康を守り、職場環境を良くする必要があるのです。


安全配慮義務に違反するとどうなる?

安全配慮義務に対しての違反の罰則は法では定められていませんが、労働に関係した事故やトラブルなどが発生した場合、会社は安全配慮義務を怠り義務を果たしていなかったとみなされ、損害賠償を求められる可能性があります。

損害賠償責任の対象となる法律は次の3つです。

  • 不法行為責任(民法709条)
  • 使用者責任(民法715条)
  • 債務不履行(民法415条)

それぞれ詳しく解説します。


不法行為責任(民法709条)による損害賠償

不法行為責任とは「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」と定められています。

損害の発生を認識し防止すべきであったにもかかわらず、認識・防止しなかったのであれば不法行為責任が問われるでしょう。

たとえば、過去にパワハラの報告を多数受け、また発生することが予見できたにもかかわらず対策をしなかったり、会社全体としてパワハラをおこなっていたりした場合は、不法行為責任が問われ損害賠償を請求される可能性があります。


使用者責任(民法715条)による損害賠償

使用者責任とは「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」というものです。

近年、セクハラやパワハラなどの問題が多く取り上げられるようになりました。

労働者が他の従業員に対して、故意または過失行為によって業務上負傷を負わせたり、パワハラやセクハラなどによる精神的苦痛を与えたりして損害を与えた場合、その労働者による責任は会社側の責任となります。

被害者に生じた損害を賠償する責任を会社が負うことになるのです。

しかし、以下の場合には使用者責任は問われることはありません。

  • 使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき
  • 相当の注意をしても損害が生ずべきであったとき(同項より)


債務不履行(民法415条)による損害賠償

債務不履行とは「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。

ただしその債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りではない。」とされています。

つまり、債務を履行しないことが債務者の責任だといえる場合が「債務不履行」です。


会社は安全配慮義務として、安全で働きやすい職場環境を提供する必要があります。

従業員に対して過重労働やパワハラなどによる精神的苦痛を与えるような職場は、安全かつ快適な職場とはいえないでしょう。

身体的・精神的苦痛を与えた場合、会社は義務を果たしていないとみなされ損害賠償責任を問われる可能性があります。


安全配慮義務違反になるケースとは?

安全配慮義務違反は「予見可能性」と「結果回避義務」があったかどうかで判断されます。

それぞれを詳しくご紹介します。


損害を予測し得る状態だった場合【予見可能性】

ポイントのひとつ「予見可能性」とは、従業員の心身の健康を害することを会社は予測できたかという点です。

過重労働などにより、疲労や心理的負荷などが蓄積すると心身の健康を損なう可能性があるでしょう。予測できたにもかかわらずそのままにしていたなら、責任を問われかねません。


損害を回避できる手段があった場合【結果回避義務】

会社は、従業員の心身の健康を害することを避けるために義務を果たしたかが問われ、判断されます。

業務上の事故だけでなく、健康面やメンタルヘルスも含まれているため、健康診断で異常があると診断された従業員や、ストレスチェックにより高ストレス者と判定された従業員を、放置してはいけません。

再検査を促したりケアをしたりするように努めましょう。

安全配慮義務を果たさず損害との因果関係があった場合、違反とみなされる可能性が高くなります。

受診勧奨をした際は、その記録を取っておくことをおすすめします。


安全配慮義務を果たすための具体策

会社として従業員への安全配慮義務を果たすための具体策をご紹介します。


労働環境を整える

長時間にわたる過重労働を防ぐため、従業員一人ひとりの労働時間を把握し管理することが大切です。

具体策としては、

  • タイムカードの記録、パソコン等の使用時間(ログインからログアウトまでの時間)の記録をおこなう
  • 労働時間管理をおこなう人が直接、始業時間・終業時間を確認する

などがあります。


労働時間の適正な把握をおこなうためには、単に1日何時間働いたかではなく、使用者が労働日ごとに始業時間・終業時間を記録することが重要です。

これに基づき何時間働いたかを把握、確定する必要があります。

適切な方法を実施して、総労働時間や時間外労働時間を把握するのは会社側の責務といえるでしょう。


職場環境を整える

快適な職場環境に整えることも大切です。具体策として、

  • オフィス内の温度や湿度など作業環境を適切に保つ
  • 従業員の疲労やストレスを効果的に癒やせるように、休憩室や給湯設備などを確保する
  • 洗面所やトイレなど、職場生活で必要となる施設などを清潔で使いやすい状態に保つ

などに取り組めるでしょう。

また、従業員同士や上司とのコミュニケーションも、快適な職場環境にするためにとても重要です。


産業医との連携

すべての事業所は年に1回、必ず健康診断を労働者に受けさせる必要があります。(業務によっては半年に1回)

健康診断結果により、異常があった従業員に対して産業医と連携し再検査を促したり、就業上の措置が必要か判断を仰いだりして、適切な対応をしなければいけません。

また、労働者が50人以上いる事業所ではストレスチェックの実施が義務化されています。

高ストレス判定が出た従業員は、本人が希望すれば産業医との面談を受けることが可能です。

産業医と連携し、心身共に健康に異常があった従業員に対して適切に対応しましょう。


安全配慮義務を果たさなければならない対象者

安全配慮義務は労働者に対して果たす義務ですが、労働者にはどんな人が含まれているのかご紹介します。


下請けの従業員や派遣社員

会社と直接の労働契約がなくても、会社が主体となり管理監督のもとで働いている外部の下請けの従業員や派遣社員も安全に配慮すべき対象となります。

自社の業務にかかわる仕事をしている従業員であれば誰であっても、企業や組織が安全配慮義務を怠ってはなりません。


海外勤務者

海外で勤務している従業員も安全配慮義務の対象になります。

赴任する前に安全教育を徹底し、政情不安や治安の問題、医療についての情報など、派遣先の環境に応じて対応しましょう。


具体的なサポートとしては、

  • 予防接種や医療のサポート
  • メンタルヘルスのサポート

が挙げられます。


必要に応じてワクチンを接種してから派遣したり、派遣先によっては現地で信頼できる医療機関で受診できるようにしたりして工夫している企業もあります。

また、生活環境や就労環境が大きく変化するため、大きなストレスを抱えることもあり得ます。可能であれば、自国内の産業医や健康管理担当者と、電話やメールで相談するといった対応も考えてみてくださいね。

海外勤務者は、国内勤務者とは異なる環境や就労状況に置かれているため、配慮の方法に注意しましょう。


安全配慮義務を果たし従業員の安全と健康を守ろう!

企業は安全配慮義務を怠ってしまうと違反とみなされ、多額の損害賠償を科される場合があります。

そうなると会社のイメージダウンにつながったり、他の従業員にも影響を及ぼしたりする可能性もあるでしょう。

労働者の安全と健康を守り、快適な職場環境をつくっていきましょう。


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