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休職期間の判断基準とは?休職者への対応や注意点について徹底解説!

近年、労働環境の変化により、精神疾患や脳・心臓疾患、腰痛、がんなどの作業関連疾患が増加しています。

そのため、休職し職場復帰を目指して治療を受ける労働者が増えています。

企業として休職者に柔軟に対応するため、本記事では、休職期間や休職者への対応、注意点など詳しく解説します。


目次[非表示]

  1. 1.休職期間とは?
  2. 2.休職期間の平均日数はどれぐらい?
  3. 3.休職期間を決める判断基準とは?
  4. 4.休職期間中の休職者への対応
  5. 5.企業が行うべき休職期間満了後の対応
  6. 6.休職期間満了後に注意すべき点とは
  7. 7.就業規則に休職期間や内容について記載し従業員への周知を



休職対応の全容については、以下の資料で詳しく解説しています。従業員が休職した際に、人事労務担当者が対応すべきこともご紹介していますので、ぜひご活用ください。

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休職期間とは?

休職期間とは、労働者が病気や怪我などにより業務を行えない場合に、労働契約の関係は維持させながら業務を休ませる、または禁止する期間をいいます。

休職期間の内容に関する法律の定めは特にありません。


しかし、会社は休職に関する規定を取り決める場合には「休職に関する事項」を就業規則に記載し、休職が必要な従業員が出てきた場合は、規則に定めた通りに行う必要があります。休職にはさまざまな種類があります。


休職の種類

休職には以下のような種類があります。

  • 業務外の傷病を理由とする私傷病休職(病気休職)
  • 傷病以外の私的な事故を理由とする事故欠勤休職
  • 刑事事件に関し起訴された労働者に対して行われる起訴休職
  • 労働者の他者への出向期間中になされる出向休職
  • 労働組合の役員に専従する場合の組合専従休職
  • 公職就任や海外留学などの期間中になされる休職

現在は、うつ病などの精神疾患や脳・心臓疾患、腰痛、がんなどの作業関連疾患が増加しています。

引用:厚生労働省「治療と職業生活の両立等の支援の現状について」


ストレスからくるメンタルヘルス不調で休職する場合も病気休職に含まれるため、上記の休職の種類の中で、病気休職が増えているのが現状です。


休職期間の平均日数はどれぐらい?

休職期間の設定は企業によってさまざまです。期間は会社の就業規則などで定められますが、勤続年数や傷病の種類によって区分を設けている企業もあります。

平均で半年〜3年としている企業が多く、中には上限なしとしている企業もあります。


休職期間の詳細を就業規則に記載しておく

会社は就業規則の定めに応じた措置を講じる必要があるため、休職期間の詳細についても就業規則に記載しておくことが重要でしょう。

以下は就業規則に記載する例文です。


(休職期間)

1.休職の期間は休職を命じた日の初日から暦日を通算した以下の期間とする。なお、各期間の起算日は会社が休職辞令をもって指定した日とする。

勤続1年以上3年未満「3ヵ月」

勤続3年以上5年未満「6ヵ月」

勤続5年以上10年未満「1年」

勤続10年以上「1年6ヵ月」

ただし、必要と認める場合には、会社は上記の期間を延長することができる。

休職する従業員に対して、今一度就業規則を明示しておくと良いでしょう。


休職期間を決める判断基準とは?

休職期間を決定するための判断基準は以下のとおりです。

  • 医師の診断書に応じて
  • 勤続年数に応じて
  • 傷病手当金の支給期間に応じて

それぞれを詳しく解説します。


医師の診断書に応じて休職期間を設定する

業務外で発生した怪我や病気(私傷病)による休職の場合、一般的に以下の点を判断する必要があります。

  • 就労が不能であるか
  • どの程度の休職期間が必要か

2つの点を確認し決定するために、主治医の診断書から病状や休職の理由、治療に必要な期間などを参考にして判断できます。

近年では精神疾患などのメンタルヘルス不調で休職する労働者も増えているため、医師の診断書を確認することが最適でしょう。


勤続年数に応じて休職期間を設定する

休職期間が解雇猶予措置となる場合もあります。

休職者が長年会社に対して貢献してきたことを考慮し、猶予期間を延長するという意図で休職期間の設定を長めにもできるでしょう。

しかし、会社でそれぞれ判断するため、勤続年数にかかわりなく一定の休職期間を設けている企業もあります。


傷病手当金の支給期間を休職期間に設定する

業務外による病気や怪我での休職期間中、従業員は健康保険による傷病手当金を受け取れます。

手当金が支給される期間が通算して1年6ヵ月支給されるため、その期間を休職期間に設定している企業もあります。


休職期間中の休職者への対応

休職期間中、賃金や社会保険料などについて会社側が休職者にどのように対応すべきか詳しく解説します。


休職期間中は休職者への賃金を支払う義務はない

休職は法律に基づく制度ではないため、休職者に対しての賃金の支払い義務はありません。業務外での病気や怪我の場合であれば、傷病手当金が支給されるため経済的な保障についての情報を提供できるでしょう。

しかし、会社は休職期間中の賃金の支払い義務はありませんが、現実には18.1%の企業が支給しており、企業規模が大きくなるに従って割合は上昇しています。

引用:独立行政法人労働政策研究・研修機構「メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活の 両立支援に関する調査 」


支給するのは会社の判断になるため、賃金の有無などは就業規則に必ず明記しておきましょう。


社会保険料の支払い方法を工夫する

休職中であっても、労働者が社会保険の被保険者であることに変わりはないため、社会保険料の支払い義務は生じます。

社会保険料は会社と被保険者が合算して、被保険者の負担分を賃金から引き落としていますが、休職中は賃金の支払いが発生しないため引き落としができません。

そのため、社会保険料の労働者負担分の徴収方法について、事前に労働者と取り決めておく必要があるでしょう。


例えば、徴収方法について以下のような方法があります。

  • 休職者から毎月送金してもらう
  • 会社が一時的に立て替える
  • 会社が傷病手当金から控除する

上記の点をあらかじめ就業規則に明記し、労働者に伝えておきましょう。

休職者から毎月送金してもらうなら、未徴収を回避できるメリットがあります。

一方で立て替えの場合、休職者は復職できずそのまま退職するケースもあるため、未払いのままになってしまわないよう注意が必要です。

手当からの控除の場合は、事前の手続きも必要ですが未払いを回避するためにも効果的な方法といえるでしょう。

休職者とのコミュニケーションを適度に行う

休職期間中、休職者との適切なコミュニケーションを行うことで望ましい結果をもたらす場合があります。

コミュニケーションを取る場合には、精神的な孤独や復職できるかという不安、今後のキャリアなどで本人が不安に感じていることに関しての十分な情報提供が重要でしょう。

また、不安や悩みなどを相談できる場を設けることも大切です。


企業が行うべき休職期間満了後の対応

休職期間が満了した従業員に対してどのように対応すべきなのか解説します。


医師や産業医の診断を踏まえ復職させる

休職中の従業員から職場復帰の意志が伝えられたら、主治医による職場復帰可能の判断が記された復職診断書を提出してもらいましょう。

しかし、主治医の診断書は病状の回復程度によって職場復帰の可能性を判断しているケースが多く、職場での求められる業務遂行能力まで回復しているかの判断とは限りません。

そのため、業務可能かどうか産業医の意見も聞いて復職の判断をするようにしましょう。


休職期間の延長の検討

休職期間の延長は、従業員の同意があるときにはもちろん、就業規則に根拠がなくても会社の判断によって決定できます。

従業員から休職期間の延長を求められた場合、就業規則に延長について明確に定められているのであれば、なら、それに従わなければいけません。

しかし延長を求められた場合、認めない方がいいケースと認めてもいいケースがあるため注意が必要です。それぞれを詳しく解説します。


期間延長を認めない方がいいケース

「期間を延長してもう少し様子がみたい」という理由での延長は避けましょう。

明確な理由がなく延長してもらえた従業員と、してもらえなかった従業員が出てくると、不公平が生じ、後々トラブルになる可能性があります。

休職期間の延長は例外の措置です。できる限り復職が実現できるようにしますが、不用意な延長は控えましょう。


期間延長を認めてもいいケース

休職期間満了時に休職した理由が消滅していなくても、「わずかな時間を待てば休職事由が消滅する可能性がある」と主治医や産業医から診断された場合であれば、延長を考えられるでしょう。

しかし延長は例外的な措置のため無用に長くせず、承認する理由を明確にして従業員の要望を踏まえながら、会社が決定しましょう。


自然退職または解雇

休職後も病状が回復せず職場復帰ができない場合、就業規則に従い自然退職または解雇とするのが一般的です。

自然退職であれば自己都合退職として扱われることが多いです。しかし、本人に復帰の意志があるにもかかわらず会社が一方的に復職を拒否した場合、トラブルにつながる可能性があるため注意しましょう。

解雇の場合には、就業規則の解雇事由にも「休職期間の満了」と記載する必要があります。


注意点として、解雇予告は解雇日から30日以上前までにしなければいけません。

予告しない場合は労働者の賃金に応じて解雇予告手当の支払いが必要になります。


休職期間満了後に注意すべき点とは

休職期間満了後、会社が休職者への対応として他にも注意しなければいけない点を詳しく解説します。


不当解雇とならないよう気をつける

不当解雇になるのは以下のようなケースです。

  • 主治医が復職可能と判断したにもかかわらず解雇した場合
  • パワハラやセクハラ、執拗な退職の強要などが原因で休職した場合

上記のような場合には会社に責任があるため、解雇などの措置によりトラブルになる可能性があります。

また休職期間中およびその後30日間は、労働者を解雇してはならないと労働基準法により定められています。

休職期間満了と同時に解雇することは違法になるため注意しましょう。


雇用保険の手続きを速やかに行う

休職期間満了の際に退職者に対しての雇用保険の手続きが遅れると、退職者が失業給付をスムーズに受給できません。

その結果会社とのトラブルのきっかけになる危険があります。

会社が雇用保険の必要な手続きを速やかに行い、退職者がスムーズに失業給付を受けられるよう配慮することも大切です。


退職や解雇通知を送付する

休職期間満了後、復職が難しく退職および解雇する場合には労働者に対して「退職通知」「解雇通知」を送付しましょう。通知には以下の点を明記します。

  • 休職期間満了日
  • 就業規則の規定
  • 退職日または解雇日

退職通知に関しては、特に通知書を出す義務は法律上ありませんが、トラブルを防ぐためにも通知を出すことをおすすめします。

休職期間満了において退職の場合、就業規則に従いつつ本人の都合によって労務ができなくなった場合は「自己都合退職」になります。

しかし、会社の責任により退職に至った場合には「会社都合退職」になるため注意が必要です。


退職金の支払い

退職金については法律上の規定がないため、支給の有無や計算方法は各会社の規定により異なります。

就業規則において退職金に関する規定を設ける場合には、支払い時期について定めることが労働基準法により義務づけられています。

退職者とのトラブルを防ぐためにも、休職期間が勤続年数に含まれるのかどうか、退職金の支払い時期はいつかなどしっかり就業規則に記載しておきましょう。


就業規則に休職期間や内容について記載し従業員への周知を

会社として病気や怪我、メンタルヘルス不調などによる休職者を出さないのが理想です。もし休職者が出た場合にもすぐに対応できるよう、就業規則への休職期間や内容の記載が重要です。

休職者が復職できるようサポートし、万が一復職が難しい場合でもトラブルにならないように対応すべきです。

就業規則について従業員に周知してもらうようにし、安心して働ける職場を作っていきましょう。




休職対応の全容については、以下の資料で詳しく解説しています。従業員が休職した際に、人事労務担当者が対応すべきこともご紹介していますので、ぜひご活用ください。


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mediment(メディメント)は、従業員のあらゆる健康データを一元管理し、産業保健業務の効率化を支援するクラウドシステムです。 クラウドシステムならではの多彩な機能で、あらゆる業務のペーパーレス化を実現し、従業員のパフォーマンス向上に貢献します。

監修者情報

三浦 那美(メディフォン株式会社産業看護師/第一種衛生管理者)

看護師として大学病院の内科混合病院にて心疾患や糖尿病、膠原病などの患者対応業務に従事。その後、看護師問診や海外赴任向けの予防接種を行っているクリニックに転職。これら医療機関での経験を通じ、予防医療やグローバルな医療提供の重要性を感じ、メディフォンに入社。現在は、産業看護師として健康管理システム「mediment」のオペレーション業務やコンテンツ企画を担当。

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