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育児・介護休業法の改正についてわかりやすく解説!押さえておくべきポイントとは?

男性の育児休業取得率は年々上昇しているものの、まだまだ男女に大きな差があるのが現状です。

出産や育児、介護等による労働者の離職を防ぎ、希望に応じて仕事と育児等を両立できる社会を実現するため、2021年に育児・介護休業法が改正されました。

本記事では改正された内容について詳しく解説します。


目次[非表示]

  1. 1.育児・介護休業法とは?
  2. 2.育児・介護休業法が改正された背景
  3. 3.育児・介護休業法の改正内容とスケジュール
  4. 4.育児・介護休業法の改正で担当者が押さえておくべきポイント3つ
  5. 5.企業が活用できる両立支援等助成金
  6. 6.育児・介護休業法の改正内容を理解し、働き続けやすいサポートづくりをしましょう!



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育児・介護休業法とは?

育児・介護休業法の正式名称は、「育児休業等育児または家族介護をおこなう労働者の福祉に関する法律」です。

育児や介護をおこなう労働者が離職することなく、職場生活と家庭生活を両立できるようサポートするとともに、経済や社会の発展に役立つことを目的としています。

事業主に対しては、育児・介護休業導入を義務付け、労働者からの休業の申し出を拒んだりそれを理由として解雇したりすることは禁止されています。

ここからは育児休業制度とはなにか、介護休業制度とはなにかなど、取得できる期間や対象者を含めてそれぞれを詳しくご紹介しましょう。


育児休業制度

育児休業とは、「子どもを養育する義務のある労働者が、1歳に満たない子を養育するために取得できる休業」のことです。

男女どちらの労働者でも取得できます。さらに、配偶者が専業主婦(夫)や育児休業中であっても取得可能です。

育児休業は労働者から申し出があってから利用できる制度で、義務ではなく任意の制度です。そのため、育児休業を取らせるのは会社の義務ではありません。

しかし、労働者やその配偶者の妊娠・出産を知った場合には、労働者が利用できる制度を個別に知らせる必要が会社には課せられているので、積極的におこないましょう。

育児休業を取得できる回数は原則子ども1人につき2回、期間は女性と男性の場合で変わってきます。


  • 女性の場合:産後8週間の産休後、子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで
  • 男性の場合:子どもが生まれた日から、子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで


ただし、保育所に申し込んでも入所が決まらなかったなどの特別な事情がある場合には、1歳半、もしくは2歳の誕生日前日まで段階的に休業が可能です。

また男性の場合、1歳までの育児休業とは別に、子どもの出生後8週間以内に4週間まで「産後パパ育休」を取得することができます。

初めにまとめて休業を申し出れば、2回に分割して取得可能です。


育児休業制度を利用できる対象者は以下のとおりです。

  • 正社員
  • 有期雇用者(パート・派遣社員・契約社員・アルバイトなど)


しかし有期雇用者が育休制度を利用する場合、子どもが1歳6ヶ月に達するまでに労働契約(更新される場合には更新後の契約)が満了することが明らかでないことが条件となっています。

つまり、労働契約が継続される可能性のある場合に適用されます。


さらに、育児休業制度で対象外になる者の条件は以下のとおりです。

  • 1年(子どもが1歳以降の休業の場合は6ヶ月)以内に雇用関係が終了する労働者
  • 週の所定労働日数が2日以下の労働者


改正前は、申請時点で継続雇用期間が1年未満の労働者は対象外になっていましたが、今回の改正で撤廃され、1年未満の人でも休業取得ができるようになりました。

ただし労使協定を締結した場合には、勤続1年未満の労働者を休業対象から除外することも可能です。


介護休業制度

介護休業とは、労働者がその要介護状態(負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族を介護するためにする休業のことです。

介護休業を取得できる対象者は次のとおりです。

  • 正社員
  • 有期雇用者(パート、派遣社員、契約社員、アルバイトなど)


ただし有期雇用者は、申出時点において以下の要件を満たしておくことが条件となっています。

  • 介護休業取得予定日から起算して93日を経過する日から6ヶ月を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと


改正前は育児休業と同様、入社1年以上という要件がありましたが、改正後は撤廃され1年未満の労働者も取得でき上記のみの条件となりました。

しかし、労使協定を締結している場合には入社1年未満の労働者は対象外になるので注意しましょう。

さらに以下の労働者も休業を取得できる対象外となります。

  • 93日以内に雇用関係が終了する労働者
  • 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者


介護休業を取得する際、対象者になる家族は次のとおりです。

育児・介護休業法 改正(1)

引用:厚生労働省「「介護休業」を活用し、仕事と介護を両立できる体制を整えましょう」


利用期間と回数は対象家族1人につき3回まで、通算93日まで休業できます。例えば以下のように取得が可能です。

	育児・介護休業法 改正(12)

引用:厚生労働省「「介護休業」を活用し、仕事と介護を両立できる体制を整えましょう」


育児・介護休業法が改正された背景

令和3年6月に改正された育児・介護休業法ですが、改正された背景には以下のような理由が挙げられます。

  • 女性の就労と出産、育児、介護の両立の難しさゆえの離職の多さ
  • 男性の育児休業取得率の低さ

それぞれの理由を詳しく解説します。


理由1:女性の就労と出産、育児、介護の両立の難しさゆえの離職の多さ

女性の場合、妊娠や出産を機に退職する人が多く、その理由は「仕事と育児の両立が難しい」とのことでした。

	育児・介護休業法 改正(13)

引用:厚生労働省「育児・介護休業法の改正について」


さらに両立が難しい具体的な理由として、「自分の気力・体力がもたなさそうだった」「勤務先に育児との両立を支援する雰囲気がなかった」などが挙げられています。

また、日本で6歳未満の子どもを持つ場合の夫が、家事・育児に関連する時間は1時間弱程度となっており、国際的にも低水準の状態でした。

夫の家事・育児をする時間が長いほど妻の継続就業割合が高く、また第2子以降の出生割合も高い傾向にあるようです。

	育児・介護休業法 改正(2)

引用:厚生労働省「育児・介護休業法の改正について」


女性が仕事と育児などを両立させるためには、男性の育児や家事への参加が欠かせないと伺えるでしょう。


理由2:男性の育児休業率の低さ

近年は男性の育児休業取得率は上昇傾向にあるものの、女性に比べ依然として低い水準となっています。

令和3年度の女性の育児休業率は85.1%に対し、男性の休業取得率は13.97%となっており、かなりの差があるのが分かるでしょう。

	育児・介護休業法 改正(3)

引用:厚生労働省「育児・介護休業法の改正について」


さらに、男性が育児休業制度を利用しなかった理由として以下のような理由が挙げられています。

  • 収入を減らしたくなかったから(41.4%)
  • 職場が育児休業を取得しづらい雰囲気だったから
    または会社や上司、職場の育児休業取得への理解がなかったから(27.3%)
  • 会社で育児休業制度が整備されていなかったから(21.3%)
  • 自分にしかできない仕事、担当している仕事があったから(21.7%)


上記のような状況を踏まえて、男性が育児休業を取得しやすくなるために法改正がおこなわれました。


育児・介護休業法の改正内容とスケジュール

育児・介護休業法の改正は3段階に分けて施行されます。

  • 令和4年(2022年)4月から施行するもの
  • 令和4年(2022年)10月から施行するもの
  • 令和5年(2023年)4月から施行するもの

それぞれの改正された内容について詳しく解説します。


1.令和4年(2022年)4月から施行する内容

令和4年4月1日から施行される改正内容は以下のとおりです。

  • 雇用環境の整備
  • 妊娠・出産を申し出た者に対する育休制度の個別の周知・以降確認の措置の義務化
  • 有期雇用労働者が育児・介護休業を取得するための要件の緩和

上記の改正された内容について詳しくご紹介します。


育児休業を取得しやすい雇用環境の整備

育児休業と出生時育児休業(産後パパ育休)の申し出が円滑におこなわれるようにするため、事業主は以下のいずれかの措置を講じなければいけません。


  1. 育児休業・出生時育児休業(産後パパ育休)に関する研修の実施
    全労働者を対象に実施するのが望ましいですが、少なくとも管理職は、研修を受けたことがある状態がすすめられています。

  2. 育児休業・出生時育児休業(産後パパ育休)に関する相談体制の整備(相談窓口の設置)
    相談窓口や相談対応者を置き、周知しましょう。
    形式的な窓口ではなく、実質的な対応が可能な窓口を設け、周知等をおこない、労働者が利用しやすい体制を整備しましょう。

  3. 自社の労働者の育児休業・出生時育児休業(産後パパ育休)取得事例の収集、提供
    自社の育児休業の取得事例を収集し、労働者が閲覧できるように提供します。可能な限りさまざまな労働者の事例を収集・提供し、特定の労働者の申し出を控えさせることにつながりかねないように配慮しましょう。

  4. 自社の労働者への育児休業・出生時育児休業(産後パパ育休)制度と育児休業取得促進に関する方針の周知
    育児休業に関する制度と取得を促進することに関する事業主の方針を記載したものを、事業所内やネットへ掲示し周知しましょう。


産後パパ育休制度は令和4年10月より施行されまました。

育児休業・出生時育児休業(産後パパ育休)を取得しやすい雇用環境整備は、男女とも対象に実施します。

措置を講じる際は、短期はもとより1ヶ月以上の長期の休業の取得を希望する労働者が、希望するとおりの期間の申出・取得できるように配慮しましょう。また可能な限り、複数の雇用環境の整備措置を講じることがすすめられています。


妊娠・出産を申し出た労働者に対する育休制度等の個別の周知・意向確認の措置の義務化

事業主は、本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、育児休業制度等に関する以下の事項の周知と休業の取得意向の確認を、個別におこなうようにしましょう。

  1. 育児休業・産後パパ育休に関する制度の内容
  2. 育児休業・産後パパ育休の申出先
  3. 育児休業給付金に関する制度の内容など
  4. 労働者が育児休業・産後パパ育休期間に負担すべき社会保険料の取り扱い


また、個別周知・意向確認の措置は以下のいずれかの方法でおこないます。

  • 面談(オンライン可)
  • 書面交付
  • FAX
  • 電子メール等


オンライン面談の場合、対面でおこなう場合と同程度の質を確保することが求められています。音声のみの通話などは、面談には含まれませんので注意しましょう。

また電子メール等には、Webメール(Gmail等)、SNS(LINE、Facebook、メッセンジャー等)が含まれます。


労働者が希望の日から円滑に育児休業を取得できるように、周知や意向確認は適切な時期に実施しましょう。

具体的な時期については以下を参考にしてください。

	育児・介護休業法 改正(4)

引用:「育児・介護休業法令和3年(2021年)改正内容の解説」


育児休業申出に関する意向確認の措置は、事業主から労働者に対して、意向確認の働きかけをおこなえばよいとされています。

しかし、この措置は労働者による育児休業申出が円滑におこなわれるようにすることを目的としているため、取得を控えさせるような形での周知や意向確認は認められません。その点を注意しておこないましょう。


有期雇用労働者が育児・介護休業を取得するための要件の緩和

パートやアルバイト、派遣社員や契約社員などの期間を定めて雇用される有期雇用労働者の育児休業と介護休業の取得要件が緩和されます。

改正前の育児休業・介護休業を取得するのに必要な要件は、

「育児休業の場合」

①引き続き雇用された期間が1年以上

②1歳6ヶ月までの間に契約が満了することが明らかでない


「介護休業の場合」

①引き続き雇用された期間が1年以上

②介護休業開始予定日から93日経過日から6ヶ月を経過する日までに契約が満了することが明らかでない

以上が取得要件となっていました。


しかし改正後は、育児休業・介護休業いずれも①の要件を撤廃し、②のみの要件だけに変更されました。

育児休業取得要件の、「1歳6ヶ月までの間に契約が満了することが明らかでないこと」については以下の判断ポイントがあります。

  • 育児休業の申出があった時点で労働契約の更新がないことが確実であるか否か
  • 事業主が更新しない旨を明らかにしていない場合については、原則として、労働契約の更新がないことが確実とはいえない


2.令和4年(2022年)10月から施行する内容

令和4年10月1日から施行された内容は次のとおりです。

  • 出生時育児休業(産後パパ育休)の創設
  • 育児休業の分割取得

それぞれを詳しく解説します。


出生時育児休業(産後パパ育休)の創設

出生時育児休業(産後パパ育休)は、男性の育児休業取得促進のために子どもの出生直後の時期に、これまでの育児休業よりも柔軟で休業を取得しやすい枠組みとして設けられました。

会社が育児と仕事の両立に関する企業の方針や取り組みを示せば、「育児休業がキャリアに支障をきたすのではないか」という労働者の不安を払拭するのに役立ち、労働者が積極的に産後パパ育休を取得できるでしょう。

従来の育児休業と同様、労働者が容易に育休を取得できるように事業主はあらかじめ制度を導入し、就業規則の整備等必要な措置を講じるようにしましょう。

産後パパ育休は育児休業とは別で取得可能となっていて、制度の概要は以下のとおりです。


育児・介護休業法 改正(5)

引用:厚生労働省「育児・介護休業法の改正について」


休業の申出期限にかかわらず、労働者が円滑に休業取得の申し出ができるよう雇用環境の整備をしっかりおこないましょう。

申出期限については原則2週間前ですが、以下の事項を労使協定で定めるなら1ヶ月前までとすることができます。

  • 雇用環境の整備等の措置の内容
  • 出生時育児休業(産後パパ育休)の申出期限(2週間超〜1ヶ月以内に限る)


休業中は就業しないことが原則ですが、出生時育児休業(産後パパ育休)期間中に就業させることができる労働者の範囲について労使協定を結んでいる場合には就業可能です。

しかし、事業主は労働者に対して就業可能日等の申出を一方的に求めることや、労働者の意に反するような取り扱いをしないように注意しましょう。


また、休業中の就業日数には以下のような上限があります。

  • 休業期間中の所定労働日の半分・所定労働時間の半分
  • 休業開始・終了予定日を就業日とする場合は、当該日の所定労働時間数未満


事業主は出生時育児休業(産後パパ育休)期間中の就業の仕組みを労働者に知らせる際、休業期間中の社会保険料免除について、休業中の就業日日数次第でその要件を満たさなくなる可能性があることを一緒に説明するようにしましょう。


育児休業の分割取得

育児休業、出生時育児休業(産後パパ育休)ともに分割して2回取得が可能です。しかし、それぞれ申出の仕方が異なります。

出生時育児休業(産後パパ育休)は初めにまとめて申し出ることが必要です。育児休業の場合は、取得の際にそれぞれ申し出ます。

たとえば、働き方や休み方のイメージは以下のとおりです。

	育児・介護休業法 改正(6)

引用:厚生労働省「育児・介護休業法令和3年(2021年)改正内容の解説」


また、保育所に入所できないなどの特別な事情がある場合には、育休開始日を柔軟化することにより、1歳以降の育児休業で夫婦の途中交代も可能になりました。


3.令和5年(2023年)4月から施行する内容

令和5年4月1日から施行されるのは、育児休業取得状況の公表の義務化です。常時雇用する労働者が1,000人を超える事業主は、育児休業等の取得状況を年に1回公表することが義務付けられました。どのようにおこなうのか詳しく解説します。


育児休業取得状況の公表の義務化

公表内容は、公表をおこなう日の直前の事業年度の男性の、育児休業等の取得割合と育児休業等と育児目的休暇の取得割合です。

いずれかの割合を、自社のホームページや厚生労働省運営のウェブサイト「両立支援のひろば」を通して、一般の方でも閲覧できるように公表します。

育児・介護休業法 改正(7)

引用:厚生労働省「育児・介護休業法の改正について」


育児休業取得状況の公表割合と合わせて以下も明示しましょう。

  • 当該割合の算定期間である公表前事業年度の期間
  • ①または②のどちらの方法で算出したものか


育児・介護休業法の改正で担当者が押さえておくべきポイント3つ

育児・介護休業法の改正により、事業主や人事担当者が押さえておくべきポイントについてご紹介します。


ポイント1:育児休業・産後パパ育休には給付金が支給される

産後パパ育休を含む育児休業を取得し受給資格を満たしているなら、原則として休業開始時の賃金の67%(180日経過後は50%)の育児休業給付を受けられます。

受給資格とは、育児休業開始日前2年間に、被保険者期間が通算して12ヶ月以上あることです。


ただし、休業中に就業する場合には以下の点に留意しておきましょう。

  • 出生時育児休業給付金は、休業期間の就業日数が一定の水準以内であることが給付対象になる
  • 出生時育児休業中に就業して得た賃金額と給付金の合計額が、休業前賃金日額×休業日数の80%を超える場合は、超える額が給付金から減額される


ポイント2:育児休業期間中は社会保険料が免除される

一定の要件を満たしていれば、産後パパ育休を含み育児休業期間中の各月の月給・賞与にかかる社会保険料が、被保険者本人負担分・事業主負担分ともに免除されます。

一定の要件とは次のとおりです。

  1. その月の末日が育児休業期間中である場合
  2. 令和4年10月以降は、
    ・①に加えて、同一月内で育児休業を取得し、その日数が14日以上の場合、新たに    保険料免除の対象となる
    ・賞与にかかる保険料は、連続して1ヶ月を超える育児休業を取得した場合に限り免    除あり

14日以上の日数には、事前に事業主と労働者の間で調整した上で就業した日数は含まれません。


ポイント3:育児休業等を理由とした不当な取り扱いの禁止とハラスメントの防止

育児休業等の申出・取得を理由に、事業主が解雇や退職強要、正社員からパートへの契約変更などの不利益な扱いをおこなうことは禁止されています。

今回の育児・介護休業法の改正で、労働者が妊娠・出産の申出をしたこと、出生時育児休業(産後パパ育休)の申出・取得、休業期間中の就業を申出・同意しなかったことなどを理由に、不当な取り扱いをすることの禁止が追加されました。

休業取得を申し出た労働者に対し事業主は、上司や同僚からのハラスメントがないよう防止する措置を講じましょう。


企業が活用できる両立支援等助成金

企業が育児と仕事を両立できる職場環境づくりをすすめる際、都道府県労働局などが支給する「両立支援助成金」を活用できます。

どのような助成金があるのか、令和4年度版をご紹介します。


出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)

男性の育児休業取得の促進を目的として、男性労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境整備や業務体制整備をおこない、育児休業を取得した男性労働者が出た中小企業の事業主に支給される助成金です。

支給される額は以下のとおりです。

	育児・介護休業法 改正(8)

引用:厚生労働省「2022年度両立支援等助成金のご案内」


生産性の要件を満たしている場合には、画像の<>内の額が支給されます。

支給されるおもな要件として、次の点が挙げられています。


①第1種(男性労働者の出生時育児休業取得)

  • 育児・介護休業法に定める雇用環境整備の措置を複数行っていること
  • 育児休業取得者の業務を代替する労働者の、業務見直しにかかる規定等を策定しその規定に基づき業務体制の整備をしていること
  • 男性労働者が子の出生後8週間以内に開始する連続5日以上の育児休業を取得すること

<代替要員加算>

男性労働者の育児休業期間中の代替要員を新たに確保した場合に支給します。


②第2種(男性労働者の育児休業取得率上昇)

  • 第1種の助成金を受給していること
  • 育児・介護休業法に定める雇用環境整備の措置を複数行っていること
  • 育児休業取得者の業務を代替する労働者の、業務見直しにかかる規定等を策定しその規定に基づき業務体制の整備をしていること
  • 第1種の申請をしてから3事業年度以内に、男性労働者の育児休業取得率が30%以上上昇していること
  • 育児休業を取得した男性労働者が、第1種申請の対象となる労働者の他に2人以上いること

引用:厚生労働省「2022年度両立支援等助成金のご案内」


育児休業等支援コース

育児休業等支援コースは、育児休業の円滑な取得・職場復帰のため、次の取り組みをおこなった中小企業の事業主に支給される助成金です。


  • 育休取得時・職場復帰時:「育休復帰支援プラン」を策定および導入し、プランに沿って対象労働者の円滑な育児休業(連続3ヶ月以上)の取得・復帰に取り組んだ場合に支給される。

	育児・介護休業法 改正(11)

引用:厚生労働省「2022年度両立支援等助成金のご案内」


  • 業務代替支援:育児休業取得者の業務を代替する労働者を確保し、かつ育児休業取得者を原職に復帰させる取り組み。
    3ヶ月以上の育児休業終了後、休業取得者が原職等に復帰する旨の取り扱いを就業規則に規定し、休業取得者の代替要員の新規雇用または休業取得者の業務をカバーする労働者への手当支給等をおこなう。さらに休業取得者を原職に復帰させた場合に支給される。

	育児・介護休業法 改正(9)

引用:厚生労働省「2022年度両立支援等助成金のご案内」


    • 職場復帰後支援:育児休業復帰後、仕事と育児の両立が困難な時期にある労働者のため、育児・介護休業法を上回る「子の看護休業制度」や「保育サービス費用補助制度」を導入し、労働者が職場復帰後、6ヶ月以内に一定以上利用させた場合に支給される。

    育児・介護休業法 改正(14)

    引用:厚生労働省「2022年度両立支援等助成金のご案内」


      介護離職防止支援コース

      介護に直面した従業員を対象として、個々に両立支援の取り組みをおこなう「介護支援プラン」を策定し、プランに基づき労働者の円滑な介護休業の取得、職場復帰に取り組んだ中小企業事業主に支給されます。

      さらに、介護のための柔軟な就労形態の制度を導入し、利用者が生じた中小企業事業主にも支給があります。


      必要な要件は以下のとおりです。

      • 介護休業:対象労働者が介護休業を合計5日以上取得し、復帰した場合
      • 介護両立支援制度:介護のための柔軟な就労形態(介護のための在宅勤務、法を上回る介護休暇、介護フレックスタイム制、介護サービス費用補助等)を導入し、合計20日以上利用した場合

      	育児・介護休業法 改正(10)

      引用:厚生労働省「2022年度両立支援等助成金のご案内」


        育児・介護休業法の改正内容を理解し、働き続けやすいサポートづくりをしましょう!

        少子化対策の一環として男性の育児休業取得を促進するとともに、職場全体の雇用環境の整備をすすめるためにおこなわれた育児・介護休業法の改正。

        改正された内容は令和4年4月から段階的に施行されています。

        施行時期や流れ、内容をよく理解し、就業規則に記載しているもので変更点があれば速やかに対応しましょう。

        育児休業、介護休業を取得したいと申し出る従業員がいれば、会社としてどのようなサポートができるか、また受けられる助成金にはどのようなものがあるか理解し、対象者には周知するよう積極的に取り組んでいきましょう。



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        監修者情報

        三浦 那美(メディフォン株式会社産業看護師/第一種衛生管理者)

        看護師として大学病院の内科混合病院にて心疾患や糖尿病、膠原病などの患者対応業務に従事。その後、看護師問診や海外赴任向けの予防接種を行っているクリニックに転職。これら医療機関での経験を通じ、予防医療やグローバルな医療提供の重要性を感じ、メディフォンに入社。現在は、産業看護師として健康管理システム「mediment」のオペレーション業務やコンテンツ企画を担当。

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